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財産分与をする前に自己破産されたらどう対応すべきか

2023年12月14日
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財産分与をする前に自己破産されたらどう対応すべきか

夫婦が協力して形成した財産については、離婚時の財産分与により清算を求めることができます。婚姻期間が長い夫婦であるほど関わる金額も大きくなりますので、財産分与は離婚後の生活のためにも大切な手続きだといえます。

しかし、夫婦の片方が「相手にお金を渡したくない」という理由から、財産分与の前に自己破産をしてしまう場合もあるのです。

本コラムでは、自己破産と財産分与との関係について、ベリーベスト法律事務所 東大阪布施オフィスの弁護士が解説します。

1、離婚前に自己破産をすれば財産分与しなくてもいい?【義務者側の自己破産】

相手に対して財産分与をしたくないために、離婚前に自己破産をすることを考えている方もおられます。
以下では、そもそも離婚前に自己破産をすれば財産分与をしなくてもよくなるかどうかについて、解説します。

  1. (1)離婚前の自己破産の場合

    財産分与を請求する権利は、離婚が成立した時点で具体的に発生する権利です。
    そのため、離婚する前に、財産分与で財産を渡す側(義務者)が自己破産をした場合には、財産分与請求権は自己破産後に発生することになります。

    自己破産後に発生する財産分与請求権は自己破産による免責の対象とはならないため、自己破産後であっても財産分与を行う必要があります。
    ただし、自己破産をすると、一定金額以上の財産はすべて換価・処分され、債権者への配当に充てられます。
    したがって、実際には、離婚前に自己破産をした場合には財産分与で相手に支払う財産は手元には残っていないでしょう

  2. (2)離婚後~財産分与前の自己破産の場合

    離婚後かつ財産分与前に自己破産をした場合には、配偶者の財産分与請求権は、借金などの他の債権と同様に自己破産の対象となる破産債権に含まれます。
    財産分与請求権は自己破産による免責の対象外である「非免責債権」には該当しないため、裁判所から免責許可決定を受けた後は、財産分与請求権も免責されることになります。

    したがって、離婚後から財産分与前に自己破産をすれば、財産分与をする必要はなくなるのです

  3. (3)自己破産をしたとしても婚姻費用や養育費の支払い義務はなくならない

    別居中の婚姻費用や離婚後の養育費の支払い義務を免れるために、自己破産を検討している方もおられるでしょう。
    しかし、破産法では婚姻費用や養育費の請求権については、自己破産による免責の対象外(非免責債権)とされています。
    そのため、自己破産をしたとしても、婚姻費用の支払いや養育費の支払いを免れることはできないのです

    もっとも、自己破産をするということは、離婚時に取り決めた養育費の支払いを続けることが経済的に困難な状況にあると考えられます。
    そのため、権利者との話し合いや調停・審判によって、養育費の減額が認められる可能性もあります。

2、財産分与後の自己破産は問題になる?【義務者側の自己破産】

以下では、財産分与をした後に自己破産をすることに関する問題を解説します。

  1. (1)別れる妻子にある程度の財産を残すことができるメリットがある

    自己破産をしてしまうと、生活に必要な最低限の財産や一定金額以上の財産を除いて、基本的にはすべての財産が換価・処分されてしまいます。
    換価・処分の対象となる財産は、破産者本人名義の財産に限られますが、そのなかには夫婦の共有財産に該当するものも含まれます。
    そのため、自己破産をしてしまうと、財産分与で離婚後の妻子に渡すはずだった財産も処分されてしまうことになるのです

    ただし、自己破産前に財産分与を行えば、原則として自己破産により共有財産が処分されるおそれがなくなるため、別れる妻子にある程度の財産を残すことが可能です。

  2. (2)財産分与の金額によっては破産管財人による否認権行使の対象になるリスクがある

    財産分与として配偶者に支払った財産については、その後に自己破産をしたとしても、原則として自己破産の影響を受けることなく、そのままもらうことができます。
    しかし、離婚に伴う財産分与という制度を悪用して財産隠しを行うことは許されないため、財産分与として配偶者に支払われた部分が不相当に過大である場合には、破産管財人による否認権行使の対象になり、返還を求められる可能性があるのです

    どの程度の財産分与が不相当に過大と判断されるかは、事案によって判断が分かれるところです。
    基本的には、財産分与では基本的には夫婦の共有財産を2分の1ずつ分けることになります。
    このような「2分の1ルール」にしたがった財産分与であれば、問題になる可能性は少ないでしょう。

3、自己破産した後に財産分与は受け取れる?【権利者側の自己破産】

以下では、財産分与を受け取る側(権利者)が自己破産をした後に、財産分与を受けることができるのか同課について解説します。

  1. (1)自己破産が離婚前であった場合

    自己破産をすると、破産者の財産については、一部を除いて基本的にはすべて換価・処分され、債権者への配当に充てられます。
    財産分与請求権も債権として財産に含まれますので、自己破産の手続きで換価・処分されてしまうのかが問題となります。

    実際には、自己破産が離婚前であった場合には、財産分与請求権はいまだ具体的に発生していません。
    そのため、自己破産の手続きにおける破産者の財産として考慮されないことから、自己破産の手続きで換価・処分されることもないのです
    したがって、自己破産した後であっても、相手に対して財産分与を請求することは可能です。

  2. (2)自己破産が離婚後であった場合

    己破産が離婚後であった場合、離婚に伴う財産分与請求権は一身専属性を有する権利であると考えられていることから、原則として破産管財人による管理処分権が及びません。
    したがって、離婚後であっても、基本的には財産分与請求権が破産手続きにおいて換価・処分されることはないのです

    ただし、夫婦間で財産分与の合意が成立して、財産分与の金額が確定した場合は、一身専属性が失われますので、破産管財人による換価や処分の対象に含まれます。
    また、金額が確定していない場合でも財産分与請求権を行使した時点で一身専属性が失われるという考えもあります。この考え方にしたがえば、離婚調停や離婚訴訟で財産分与を請求した時点で、破産管財人に管理処分権が移ることになるのです。
    このように、離婚後に自己破産をすると、破産管財人により共有財産が換価・処分されてしまい、財産分与を受けられなくなる可能性がある点に注意が必要です。

4、自己破産したら養育費も失う?【権利者側の自己破産】

以下では、養育費の支払いを受ける側が自己破産をした場合、養育費の支払いを受ける権利も失われてしまうのか否かについて解説します。

  1. (1)原則として養育費請求権が失われることはない

    自己破産により換価・処分の対象になる財産は、破産手続き開始決定時点に存在する財産です。
    権利者が自己破産の申し立てをした時点ですでに離婚をしており、養育費の取り決めがある場合には、養育費請求権という権利が発生しています。
    このような権利も財産と評価できることから、養育費請求権も破産手続きにおける換価・処分対象の財産に含まれるかが問題となります。

    しかし、具体的な養育費は、毎月の支払い日ごとに発生するものであるため、破産手続き開始決定時点では、まだ具体的な権利として存在しているとはいえません。
    そのため、自己破産をしたとしても、将来養育費をもらうことができる権利が失われることはないのです

  2. (2)破産手続き開始決定時点で未払いの養育費がある場合には破産財団に組み入れられる

    原則として自己破産をしたとしても将来の養育費には影響が生じることはありませんが、未払いの養育費がある場合には事情が異なります。

    未払いの養育費は、破産手続き開始決定時点ですでに存在している具体的な権利であるため、自己破産による換価・処分の対象財産に含まれます。
    そのため、破産管財人により未払いの養育費が回収されて、債権者への配当に充てられることになります
    もっとも、破産者は、自由財産の拡張という制度を利用することにより、未払いの養育費についても換価・処分されることなく手元に残せる可能性があります。

5、まとめ

財産分与の義務者が自己破産をしてしまうと、財産分与請求権も免責対象に含まれることから、原則として義務者から自己破産を受けることができなくなってしまいます。
分割で財産分与を受けると、支払いの途中で相手が自己破産をしてしまい、満額の支払いを受けられないリスクが生じてしまいますので、財産分与はできる限り一括払いで受けるのが基本となります。

財産分与と自己破産との関係は、権利者側の自己破産なのか、義務者側の自己破産なのかによって複雑な問題が生じます。
専門知識を持たない方には判断が困難である場合が多いため、配偶者(または元配偶者)が自己破産を考えているという場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
財産分与やそのほかの離婚に関するお悩みを抱かれている方は、まずはベリーベスト法律事務所まで、お気軽にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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