交通事故の後遺症認定の判断はだれが行う? 必要な手続き完全版
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令和4年に大阪府東大阪市で発生した交通事故は1735件でした。交通事故によるケガが完治せずに後遺症を負った場合は、「後遺障害等級」の認定を受けましょう。
後遺障害等級に認定されると、等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益の損害賠償を請求できます。後遺障害等級は、交通事故の解決実績がある弁護士のサポートを受け「被害者請求」という方法で申請すると、適正な等級認定になる可能性が高まります。
本記事では、後遺症認定(後遺障害等級認定)に必要な手続きや、認定する審査機関、十分な補償を得るための被害者請求の重要性などについて、ベリーベスト法律事務所 東大阪布施オフィスの弁護士が解説します。
出典:「東大阪地域の類型別交通事故発生状況(令和4年)」(大阪府警察)
1、交通事故に関する後遺症認定(後遺障害等級認定)とは
交通事故によるケガで、後遺症があった場合、「後遺障害等級」の認定を受けることで、加害者側に対して後遺障害慰謝料および逸失利益の損害賠償を請求することが可能になります。
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(1)後遺障害等級とは
「後遺障害等級」とは、交通事故による後遺症の部位や程度などに応じて認定される等級です。要介護1級および2級、ならびに通常の1級から14級の計16段階の等級が設けられています。
後遺障害等級の認定を受けることは、加害者側に対して「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」の損害賠償を請求する際に必要となります。- ① 後遺障害慰謝料
後遺症を負ったことについて、被害者が受けた精神的損害に対する賠償金です。
- ② 逸失利益
後遺症によって労働能力が失われたことに対応して、将来にわたり失われた収入を補填する賠償金です。
認定される後遺障害等級が高ければ高いほど、請求できる後遺障害慰謝料および逸失利益は高額となります。そのため、後遺症の部位や程度に応じた適正な後遺障害等級の認定を受けることが重要です。
参考:「後遺障害等級表」(国土交通省) - ① 後遺障害慰謝料
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(2)後遺障害等級に応じて請求できる慰謝料
後遺障害慰謝料の金額の目安は、後遺障害等級に応じて以下のとおりです。
後遺障害等級 後遺障害慰謝料 1級(要介護を含む) 2800万円 2級(要介護を含む) 2370万円 3級 1990万円 4級 1670万円 5級 1400万円 6級 1180万円 7級 1000万円 8級 830万円 9級 690万円 10級 550万円 11級 420万円 12級 290万円 13級 180万円 14級 110万円 -
(3)後遺障害等級に応じて請求できる逸失利益
後遺症による逸失利益の金額は、以下の式によって計算します。
逸失利益=1年当たりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
※1年当たりの基礎収入は、原則として事故前の年収金額です。ただし専業主婦(専業主夫)の場合は、賃金センサスに基づく女性労働者の全年齢平均給与額を1年当たりの基礎収入とします。
※労働能力喪失期間は、原則として事故当時の年齢に応じた就労可能年数です。ただし、後遺障害の内容によっては労働能力喪失期間が通常よりも短縮されることがあります。
参考:「就労可能年数とライプニッツ係数表」(国土交通省)
労働能力喪失率の目安は、後遺障害等級に応じて以下のとおりです。
後遺障害等級 労働能力喪失率 1級 100% 2級 100% 3級 100% 4級 92% 5級 79% 6級 67% 7級 56% 8級 45% 9級 33% 10級 27% 11級 20% 12級 14% 13級 9% 14級 5%
2、後遺症認定(後遺障害等級認定)の手続き
後遺障害等級認定の手続きについて、以下の事項を解説します。
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(1)後遺障害等級認定の申請方法|事前認定・被害者請求
後遺障害等級認定の申請方法は、「事前認定」と「被害者請求」の2種類です。
- ① 事前認定
加害者側の任意保険会社に申請を任せます。被害者が用意すべきなのは、医師が作成する後遺障害診断書のみです。ただし、加害者側の保険会社が主導するため、適正な後遺障害等級の認定を受けられない可能性があります。
- ② 被害者請求
被害者が自分で、加害者側の自賠責保険会社を通じて申請を行います。後遺障害診断書だけでなく、その他の必要書類も被害者側で準備する必要があります。被害者請求は弁護士に依頼することも可能です。
- ① 事前認定
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(2)後遺障害等級認定の必要書類
後遺障害等級認定の申請に当たっては、主に以下の書類が必要となります。
- 支払請求書
- 後遺障害診断書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 印鑑証明書
事前認定の場合は、上記のうち後遺障害診断書だけを準備すれば足ります。これに対して被害者請求の場合は、すべての申請書類を被害者側で準備しなければなりません。
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(3)後遺障害等級認定の審査機関
後遺障害等級認定の審査は、損害保険料率算出機構が行っています。
損害保険料率算出機構は客観的な立場から、後遺障害診断書を中心に申請書類の内容を精査し、後遺症の部位・程度などに応じた後遺障害等級を認定します。
参考:損害保険料率算出機構HP -
(4)後遺障害等級認定に対する不服申立て
後遺障害等級認定の結果に不服がある場合には、以下の方法によって異議を申し立てることができます。
- ① 加害者側の自賠責保険会社に対する異議申立て
加害者側の自賠責保険会社に異議申立書を提出し、損害保険料率算出機構に対して後遺障害等級の再審査を求めます。
- ② 自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理制度
弁護士・医師・学識経験者で構成された紛争処理委員会が、後遺障害等級認定の結果を事後的に審査します。
- ③ 損害賠償請求訴訟の提起
裁判所に訴訟を提起し、損害賠償請求に関する審査の中で、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額についても審査してもらいます。
不服申立てに当たっては、後遺障害等級の認定が不適切である理由を説得的に訴えることが大切です。弁護士のサポートを受けながら、後遺障害等級の認定を覆せるだけの準備を整えましょう。
- ① 加害者側の自賠責保険会社に対する異議申立て
3、後遺障害等級認定は、事前認定ではなく被害者請求を
後遺障害等級認定の申請は、事前認定ではなく被害者請求によって行うことをおすすめします。
事前認定の場合、後遺障害診断書以外の必要書類を準備する必要がないため、手間がほとんどかからないメリットがあります。しかしその反面、申請手続きを被害者主導で行うことができない点が大きなデメリットです。
たとえば審査の過程において、後遺障害等級の認定に当たり追加書類の提出が必要となったとしても、事前認定では被害者自身で対応することができません。そもそも、追加書類が必要であることを知らされないケースも多いです。
その結果、適切な書類の追完ができずに、適正な後遺障害等級の認定を受けられないことがよくあります。
これに対して被害者請求では、後遺障害等級の審査に関する連絡は、被害者(または代理人弁護士)に対して直接行われます。追加書類の提出が必要となった場合も、被害者が直接連絡を受けて対応することが可能です。申請手続き全体に被害者自身が関与できるため、納得のいく形で申請を行うことができます。
被害者請求は手間がかかりますが、弁護士に依頼すれば大幅に負担を軽減できます。被害者側においてそろえるべき必要書類の作成・取得などについても、弁護士のサポートを受ければ漏れなく対応可能です。
後遺障害等級認定を申請する際には、弁護士に依頼した上で被害者請求を行いましょう。
4、交通事故被害に遭ったら弁護士に相談を
交通事故の被害に遭い、加害者側に対して損害賠償を請求したい方は、弁護士への相談をおすすめします。
交通事故被害について弁護士へ相談することには、主に以下のメリットがあります。
- ① 損害賠償請求の見通しに関するアドバイス
交通事故の客観的な状況を踏まえた上で、どの程度の金額の損害賠償を請求できるか、損害賠償請求が成功する可能性はどの程度かなどの見通しについてアドバイスを受けられます。
- ② 損害賠償請求に必要な証拠の収集
事故現場に関する資料など、損害賠償請求に必要な証拠の収集方法についてアドバイスを受けられます。
- ③ 示談交渉・交通事故ADR・訴訟などの代理
加害者側との示談交渉、交通事故ADRの申立て、訴訟の提起など、損害賠償請求に必要な手続きを弁護士が代理人として代行します。
- ④ 裁判基準に基づく適正額による損害賠償請求
弁護士は加害者側の提示額にかかわらず、過去の裁判例をベースとした裁判基準に従い、適正額による損害賠償を請求します。
弁護士のサポートを受けることが、交通事故被害者が適正額の損害賠償を受けるための近道です。交通事故の損害賠償請求は、弁護士にご相談ください。
5、まとめ
交通事故によるケガが完治せずに後遺症が残ったときは、後遺障害等級の認定を申請しましょう。認定される等級に応じて、加害者側に対して後遺障害慰謝料および逸失利益の損害賠償を請求できます。
後遺障害等級認定の申請方法には事前認定と被害者請求の2種類がありますが、納得できる形で申請を行いたい場合は被害者請求がおすすめです。被害者請求では、被害者自身が必要書類を準備しなければならないので手間がかかりますが、弁護士に依頼することで大幅に手間が省けます。
ベリーベスト法律事務所 東大阪布施オフィスでは、交通事故の損害賠償請求や後遺障害等級認定の申請に関するご相談を随時受け付けております。交通事故の後遺症に悩んでいる被害者の方は、お早めにベリーベスト法律事務所 東大阪布施オフィスまでご相談ください。
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