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配偶者は相続放棄できない? 相続放棄できないケースと対処法を解説

2024年02月15日
  • 相続放棄・限定承認
  • 配偶者
  • 相続放棄できない
配偶者は相続放棄できない? 相続放棄できないケースと対処法を解説

令和4年度大阪府統計年鑑によると、相続放棄の件数は2万691件であり、家事審判事件のなかで最も多い件数でした。

亡くなった配偶者に借金がある場合は、相続放棄するという選択を検討することになります。

今回は、配偶者は相続放棄できるのかどうかや相続放棄できないケース、相続放棄できない場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所 東大阪布施オフィスの弁護士が解説します。

1、配偶者は相続放棄できないのか?

遺産相続においては、相続放棄をするか否かは、基本的にその人の自由です。
亡くなられた方(被相続人)の配偶者であっても、「相続を放棄したい」と本人が考えるなら、法律は相続放棄が許されています。
また、配偶者の場合には、相続放棄をしても被相続人の生命保険を受け取ったり配偶者短期居住権を取得したりすることができるのです。

  1. (1)配偶者が相続放棄しても生命保険を受け取れる

    相続放棄した場合でも、生命保険の受け取りは問題ありません。
    生命保険は被保険者の死亡により支払われる金銭となり、相続財産ではなく受取人固有の財産となるため、配偶者が相続放棄を選択した場合でも生命保険の受け取りは可能です。

    生命保険金は、契約者が指定した受取人に直接支払われます。
    ただし、受取人が被保険者に該当する入院給付金や生命保険の解約返戻金などは相続財産に該当するため受け取れないことに注意が必要です。

  2. (2)相続放棄しても条件を満たせば配偶者短期居住権を取得できる

    相続放棄を選択した配偶者でも、条件を満たせば配偶者短期居住権を取得できます
    「配偶者短期居住権」とは、配偶者が生活の基盤となる住居を失わないように保護する制度です。
    とくに高齢者や生計を自立できない方を保護するために設けられています。

    この権利は、配偶者が亡くなった住宅等に6か月間無償で居住することが許されるものです。ただし、適用の仕方や必要な手続きには細かな規定があるため、必要に応じて弁護士など専門家に確認してください。

  3. (3)配偶者が相続放棄した場合は誰が相続するのか?

    配偶者が相続放棄を選択した場合、その遺産は次に相続権のある人へと移ります。
    たとえば、配偶者と子どもがいる場合、配偶者が相続を放棄すれば、そのすべての遺産は子どもへと相続されます。

    なお、子どもたちは一緒に相続した遺産を均等に分けることになります。
    たとえば、三人の子どもがいる場合には、遺産は三等分されます。
    また、相続人には故人の借金も引き継がれることに注意してください。

2、配偶者が相続放棄できないケース

原則として、被相続人の配偶者が相続放棄するかどうかは、配偶者本人の自由です。
ただし、被相続人の配偶者であるかどうかに関わらず、熟慮期間が経過したり必要書類が足りなかったりする場合には相続放棄はできないことに注意が必要です。

  1. (1)熟慮期間が経過した

    相続放棄には、相続人が故人の死亡を知った日から3か月以内に、家庭裁判所へ相続放棄の申述書を提出しなければならないという規定があります。
    この3か月という期間を「熟慮期間」と呼び、熟慮期間を過ぎてしまうと、相続放棄はできなくなってしまうのです。

    相続放棄すると決めたら、熟慮期間が経過するのを避けるため、早めに手続きを進めましょう。

  2. (2)単純承認が成立した

    「単純承認」とは、法律上の特定の行為によって、意図せずに相続を承認してしまう状態を指します。
    たとえば、遺産に対する行為(遺産分けの協議や遺産の売却)や、相続財産を故意に隠す行為などは、相続を単純承認したものとみなされます
    そして、単純承認をしてしまうと相続放棄ができなくなるため、相続放棄を検討する場合には注意が必要です。

    なお、熟慮期間が経過した状態も、法律上は単純承認の成立に該当します。

  3. (3)必要書類が不足していた

    相続放棄をするためには、被相続人が最後に所在していた地域の家庭裁判所に以下の書類を提出しなければなりません。

    • 相続放棄申述書
    • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
    • 相続放棄する配偶者の戸籍謄本
    • 被相続人が死亡した記載がある戸籍謄本


    これらの書類が不足していると、相続放棄の手続きは受け付けられません
    戸籍謄本などは事前から準備しておきましょう。

3、相続放棄できない場合の対処法

以下では、相続放棄したくてもできない状況になってしまった場合にとるべき対応を解説します。

  1. (1)熟慮期間が過ぎてしまう特別な理由がある場合は家庭裁判所に判断してもらう

    相続放棄には、被相続人の死亡から3か月という熟慮期間が設けられており、この期間を過ぎてしまうと原則として相続放棄はできません。
    しかし、特別な理由がある場合は例外となります。

    たとえば、海外滞在中に何らかの理由で日本に戻れず相続放棄の手続きが間に合わなかった場合や、相続の事実を知らなかった場合などには、家庭裁判所に相談することで、裁判所の判断により熟慮期間が延長となる可能性があります

  2. (2)即時拮抗を申し立てる

    単純承認が成立した場合や熟慮期間が過ぎてしまった場合でも、相続放棄したいときには即時拮抗を申し立てる方法があります
    「即時拮抗」とは、裁判所の決定に対して不服を申し立てることです。なお、この手続きは2週間以内(相続放棄が受理されなかった翌日から)に申し立てなければなりません。

    また、即時拮抗を申し立てる際には、単純承認が成立してしまった、または熟慮期間が過ぎてしまった理由を具体的に説明する書類が必要です。

4、相続放棄で気をつけたいポイント

以下では、相続放棄を検討する際に注意すべきポイントを解説します。

  1. (1)資産や負債に手を出さない

    相続放棄を検討している際には、被相続人の資産や負債に一切触れないように注意が必要です。一度でも相続財産に手を出したら、単純承認が成立してしまう可能性があるためです。

    具体的には、預金の引き出しや不動産の売却、名義変更などの行為は避けてください。
    また、負債についても、相続人として借金の返済を始めると同様に単純承認となり得ます。これらの行動が単純承認として認められると、それ以降は相続放棄ができなくおそれがあるのです。
    相続放棄を検討している場合は、まずは専門家である弁護士に相談して、弁護士の指示があるまでは被相続人の財産や債務に対する一切の行動を控えることをおすすめします。

  2. (2)相続財産を調査する

    遺産を相続するか相続放棄するかを検討するためには、相続財産の調査が必要となります。調査した結果、預金や不動産などの財産よりも負債のほうが多いことが判明したら、相続放棄をしたほうがよいでしょう。
    一方で、負債があるとしても、想像していた以上に多くの財産がある場合には、相続放棄はしないほうがよいといえます。

    まずは故人の家や事務所を調査して、預金通帳や証券、不動産の契約書などの相続財産がないか探します。
    次に、金融機関や役所に出向き、被相続人名義の預貯金や不動産の有無を確認します。
    そして、集めた情報をもとに相続財産と負債の総額を算出しましょう。
    また、専門家である弁護士に依頼すれば、より正確な財産調査を行うことができます

  3. (3)相続放棄は代襲相続に該当しない

    代襲相続とは、被相続人が亡くなった際に該当する相続人も亡くなっていた場合に、その人の子どもが代わりに相続する制度のことです。
    しかし、相続人が相続放棄をしても、代襲相続は発生せず、その人の子どもが代わりに相続することもありません

  4. (4)配偶者が連帯保証人である場合は請求される

    連帯保証人とは、主債務者が借金を返済できない場合に、その全額を返済する責任を負う人のことを指します。

    配偶者が連帯保証人であった場合、その立場は相続放棄とは別の問題として扱われます
    つまり、もし亡くなった配偶者が借金を残していて、生きている配偶者がその連帯保証人であるならば、遺産を相続放棄しても、連帯保証人としての責任は免れることはできないのです。

5、まとめ

本コラムでは、配偶者は相続放棄できないのかどうかや、相続できないケース、相続できない場合の対処法について解説しました。

配偶者が相続放棄するかどうかは、基本的にその配偶者の自由です。
まずは相続財産を調査して夫妻があるかどうかを確認、必要なら相続放棄も検討しましょう。
ただし、熟慮期間が過ぎてしまったり単純承認が成立してしまったりすると、相続放棄ができなくなる可能性もあることに注意してください。

配偶者の遺産を相続放棄するかどうか検討している方や、相続手続きに関して専門家のサポートを受けたい方は、まずはベリーベスト法律事務所まで、お気軽にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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