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法律の定める労働時間の適用除外となる場合とは? 弁護士が解説

2021年01月05日
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法律の定める労働時間の適用除外となる場合とは? 弁護士が解説

厚生労働省大阪労働局が公表している「令和元年度統計年表」によると、令和元年度の民事上の個別労働紛争相談件数は、2万434件でした。

統計上は、労働時間に関する項目がないため、正確な数はわかりませんが、労働時間に関する相談についても相当数あるでしょう。

昇進などを機に、中間管理職として働くことになったとき、会社から「中間管理職は労働基準法の適用除外だから残業代の支給はない」と言われた経験はありませんか? 確かに、労働基準法上、労働時間の法規制が適用されない労働者として、管理監督者が定められています。しかし、中間管理職になったからといって、直ちに「管理監督者」にあたるとして労働基準法の適用除外になるということはありません。

今回は、労働基準法の労働時間規制が適用除外になる場合について、ベリーベスト法律事務所 東大阪布施オフィスの弁護士が解説します。

1、労働時間の適用除外とは

労働基準法では、労働者保護のために労働時間、休憩及び休日に関しさまざまな法規制を定めています。他方で、労働基準法では、例外的にこのような法規制が及ばない労働者がいることも認めています。以下では、どのような労働者が適用除外となるかについて説明します。

  1. (1)労働時間規制が適用除外とされる労働者

    労働基準法41条では、事業の内容や業務の性質などから、労働基準法の労働時間規制になじまないとして、以下の労働者について、労働基準法上の労働時間、休日、休憩に関する法規制について適用しないとしています。

    なお、労働基準法41条によって適用除外となるのは、あくまでも、労働時間、休日、休憩の規定です。深夜業の割増賃金、年次有給休暇の付与、年少者の深夜業禁止の規定については、変わらず労働基準法が適用されます

    厚生労働省の通達(昭和22年9月13日発基第17号)に詳しく規定されているので、見ていきましょう。(「」内は通達や裁判例を引用)

    ●農業(林業以外)又は畜産、養蚕、水産に従事する者
    これらの業務は、業務が天候・季節など自然条件に強く左右されるため、労働時間や休日の規制に馴染(なじ)まないとして適用除外とされています。

    ●監督若しくは管理の地位にある者
    「監督若しくは管理の地位にある者」(いわゆる管理監督者)についても適用除外とされています。管理監督者とは、労働条件の決定やその他の労務管理について、「経営者と一体の立場に在る者」のことをいい、会社が任命した役職名などの形式にとらわれず、労働条件や勤務形態から実態に即して判断されます。

    ●機密の事務を取り扱う者
    「機密の事務を取り扱う者」についても適用除外とされており、「秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位に在る者の活動と一体不可分」で、労働時間の管理が難しい者がこれにあたるとされています(昭和22年9月13日発基17号)。

    ●監視又は断続的労働に従事する者
    「監視又は断続的労働に従事する者」も適用除外とされています。いわゆる監視労働とは、「一定部署に在つて監視することを本来の業務とし常態として身体又は精神的緊張の少い」労働のことをいうとされています。また、断続的労働とは、実作業が間欠的に行われるような労働であり、同労働にあたるかどうかは、手待ち時間が実作業時間を超えるか、又は同等かがひとつの目安とされています。

    たとえば、守衛、小中学校の用務員、団地の管理人、隔日勤務のビル警備員などがこれらに該当します。

    なお、これらの労働者が適用除外となるためには、使用者が行政官庁の許可を受けた場合に限られますので、これらの労働に従事しているからと言って直ちに未払賃金請求をあきらめる必要はありません。

  2. (2)労働基準法が適用除外となる労働者

    労働基準法116条は、以下の労働者については、労働時間規制のみならず、労働基準法の全部または大部分が適用されないとしています。

    ●船員法1条1項に規定する「船員」
    「船員」とは、「日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組む船長及び海員並びに予備船員をいう」とされています(船員法1条1項)。船員については、船上で生活するという特殊性から、労働基準法の総則および罰則規定を除き、労働基準法が適用除外とされています。代わりに、船員については船員の労働関係の特殊性に応じた船員法の規定が適用され、労働者保護がなされます(船員法31条以下参照)。

    ●同居の親族のみを使用する事業における被用者
    同居の親族のみを使用する事業における被用者についても労働基準法の適用がありません。親族とは、民法上の「親族」のことをいい、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族のことをいいます。同居の親族のみを雇用する会社では、労働条件について国家的規制と監督がなじまないと考えられているので、適用除外とされています。

    ●家事使用人
    家事使用人とは、いわゆる家政婦(夫)などの、家事一般を行う者のことをいいます。ただし、家政婦(夫)紹介所などに雇われて、各家庭で家事を行う者は、労働基準法116条が定める「家事使用人」にはあたりません。

  3. (3)業務委託をしている者

    業務委託契約をしている者については、労働基準法上の「労働者」にはあたりませんので、労働基準法は適用されません。

    ただし、業務委託か雇用かは、名称で判断するのではなく、使用者の指揮命令を受けているかどうかなど実質的に判断されることになります。この点も、労働者保護の観点からよく問題となるところであり、建設業における一人親方や、トラック運転手、フランチャイズの店長などは、個人事業主として業務委託契約を締結した者であり、労働者にあたらないとも思われます。しかし、ケースによっては、労働者保護の観点から、これらの者も労働基準法上の「労働者」にあたり、未払賃金請求をなしうる余地がありますのであきらめる必要はありません

2、管理職でも、適用除外とならない可能性が高い

管理職であるからといって、未払残業代請求が阻害される「管理監督者」に直ちにあたるわけではありません。

したがって、上記の趣旨を踏まえて、実体として「管理監督者」の地位にあるかどうかで判断しなければなりません。

管理監督者の判断のポイントとしては、以下の3点です。


●「事業主の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限が認められているか」(札幌地判平成14年4月18日)
「課長」・「部長」などの肩書があったとしても、経営者から重要な責任と権限を任されていなければ、管理監督者とはいえません

たとえば、飲食店であれば、採用や労働時間の管理を任されているかどうかだけでなく、営業時間や商品の種類、価格設定、仕入れ先の選定等についても任されているかどうか、一般企業では部下の人事考課に関する事項が権限に含まれているかどうかがポイントとなり、多くのケースではこの要件を満たさず、従って、「管理監督者」に当たらないとして労働者側の未払残業代請求が認められております。

●「自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有しているかどうか」(札幌地判平成14年4月18日)
自分の勤務時間について自由裁量が与えられているかなど、実際の勤務態様が通常の労働者と比較して、一定の裁量があるかどうかは判断材料のひとつとなります。

たとえば、遅刻・早退をした際に通常の労働者と同様に減給されるのであれば、管理監督者であることを否定する要素です。多くのケースでは、そもそも通常の就業時間に拘束されて出退勤の自由がなく、従って「管理監督者」に当たらないとされています

●その地位にふさわしい処遇を受けているか
管理監督者が労働時間などの法規制の適用除外とされているのは、通常の労働者よりも賃金などの面で優遇されているからです。

そのため、賃金や賞与その他の待遇において、通常の労働者よりも優遇された措置がなされているかどうかも、要件のひとつとなります。

3、残業代の請求方法

管理職という肩書があったとしても、未払残業代請求をあきらめる必要はありません。実態として労働基準法が定める「管理監督者」の要件にあたらない場合には、残業代の請求が可能です。会社に対して未払残業代を請求する方法は、以下のとおりです。

  1. (1)証拠の収集

    まずは、どのくらい残業代が発生しているかどうかを調べるため、残業代の発生を証明する証拠を収集することが重要です。

    具体的には、タイムカード、出勤簿、パソコンの使用ログ、給与明細、就業規則、雇用契約書などがあります。なお、これらが手元にないからと言って未払残業代請求をあきらめる必要は全くありません。これらは弁護士があなたに代わって会社に対し開示請求しうるものです。また、会社が徹底的に開示を拒む場合は、民事訴訟を提起し、文書提出命令の発動を求めることも可能です。

  2. (2)会社との交渉

    残業代請求に関する証拠の収集ができ、具体的な残業代の計算ができた段階で、会社に対し、残業代の支払いを求める交渉をすることになります。

    会社と労働者では、一般的に労働者の方が弱い立場ありますので、なかなか話し合いに応じてくれない場合もあります。会社と対等な立場で交渉するためにも、弁護士を代理人としてたてて、交渉をするという方法も有効です。

  3. (3)労働審判を申し立てる

    会社と話し合いをしたものの、残業代の支払いに応じなかったり、納得のいく金額でない場合には、労働審判の申し立てを検討しましょう

    労働審判とは、裁判官1人と専門知識を有する労働審判員2人が、労働紛争を原則3期日以内(おおむね4~5か月)で審理し、解決を目指すという紛争解決手続きです。

    訴訟よりも早急な解決が可能ですので、必要に応じて利用してみるとよいでしょう。ただし、労働審判のデメリットとしては、訴訟と比べるとどうしても解決金の額が低くなってしまう傾向があります。時間がかかっても未払残業代をしっかりと回収したい場合は訴訟を選択するべきでしょう。

  4. (4)訴訟を提起する

    会社との交渉や労働審判によっても解決しない場合には、最終的には、訴訟を提起することになります。訴訟になった場合には、半年から1年以上の期間がかかることもありますし、訴訟手続については法的な知識と経験が必要になりますので、弁護士によるサポートを求めたほうがよいでしょう。

4、管理職の残業代について、弁護士に早めに相談するべき3つの理由

管理職の残業代については、早めに弁護士に相談することで、以下の3つのメリットがあります。

  1. (1)会社との交渉を一任できる

    労働者が会社と対等な立場で交渉をするというのはなかなか難しいところがあります。また、在職中であれば、残業代請求をしたことで嫌がらせを受ける可能性もありますし、退職後であれば、退職理由によっては、心理的負担から会社と交渉したくないという方もいるかもしれません。

    弁護士であれば、あなたの心理的負担を取り除き、未払残業代請求を会社と対等な立場で交渉しますので、会社の主張に言い負かされることなく、法的に妥当な解決に導くことができます

    交渉という、精神的負担から解消されるというメリットもありますので、弁護士への依頼を検討してみるとよいでしょう。

  2. (2)複雑な残業代計算を一任できる

    残業代の計算は、時間外労働、深夜労働、休日労働などが重複することも多いため、複雑な計算となることが少なくありません。管理職として、まったく残業代が払われていなかった場合には、請求する残業代の金額も高額になることが予想されますので、正確に残業代を計算するには、弁護士に任せることが安心です。

    残業代請求には2年の時効(令和2年4月1日以降に発生する労働債権の場合は当分の間は3年とされています)がありますので、残業代請求の計算で時間を取られてしまっては、請求できる権利を失ってしまうかもしれません。

    残業代請求を考えている場合には、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)審判や訴訟などの法的手続きを一任できる

    会社との交渉によって解決できない場合には、審判や民事訴訟手続に移行することになります。

    審判や民事訴訟の手続を適切に行うためには、法的知識と経験が不可欠となってきます。弁護士に相談することで、訴訟となった場合に、どのような証拠が必要となるかなどの専門的なアドバイスを受けることもできますし、今後どのように進めていけばよいかの指針が得られる場合もあります。

    話し合いで解決が難しいようであれば、弁護士とともに確実な証拠を収集し、法的手続をすすめていくことをおすすめします。

5、まとめ

管理職という立場にあるという理由だけで、会社に対する残業代請求をあきらめる必要はありません。管理職という立場であっても、労働基準法が定める管理監督者の要件を満たさなければ、通常の労働者と同じように残業代を請求することができます。

名ばかり管理職として、本来もらえるはずの残業代がもらえていないとお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 東大阪布施オフィスまでぜひご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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